令和7年6月7日(土)、本学体育館にて、創立60周年記念の学園講話会が開催され、大学・短期大学部の学生および教職員約600名が参加しました。
今回は学園創立60周年記念講演会として、講師には弘前大学大学院医学研究科長、弘前大学COI拠点長を歴任し、長年にわたり青森県の健康増進に多大な貢献をされ、「岩木健康増進プロジェクト」でも広く知られる弘前大学特別顧問・医学博士 中路重之先生をお招きし、「青森県における短命県返上活動と大学の役割」と題し、約60分間の講演をいただきました。
まず、記念講演に先立ち、弘前城東学園・山本洋子常務理事から「創立60周年を迎え、これまでの歩み紹介」と題し、1965年に創立した弘前料理学院から現在の弘前医療福祉大学・同短期大学部までの発展の歴史の紹介がありました。

中路先生の講演は、「青森県は日本一の短命県」はなぜなのか、我々が出来る事はないのか、大学はどういう力を持って、どういう事ができるのか、という問いかけから始まりました。平均寿命の地域差がどうしてつくのか、市区町村区分でも短命上位を占める青森県のデータの紹介、平均寿命2~3歳差の持つ大きな意味、短命県の抱える構造的な問題などを、時にはユーモアを交えながら分かりやすく解説されました。

「健康づくりは単独では存在しない」「健康づくりは地域創生の中心テーマ」短命県を返上のためには産官学民の連携、社会イノベーションが不可欠であり、弘前大学COI岩木健康増進プロジェクトはそのプラットフォームとして「産官学民の得られたデータの共有」を行い、それぞれが自発的に参加し利益を得られる、という構造の紹介がありました。また、青森県だけではなく全国各地でも同様の活動が行われ、そこからデータベースを作り、ビッグデータを解析することにより個々人に合わせた健康指導を目指している旨も紹介されました。
さらに、より多くの人が検診を受けられるよう開発されたQOL(啓発型)検診について、県内イベントとの連携や海外における活動事例が紹介されました。

講演終了後には質疑応答の時間が設けられ、本学学生からの質問に一つ一つ丁寧にお答えいただき、大変貴重で有意義な時間となりました。
中路先生、お忙しい中、素晴らしい講演をしていただき本当にありがとうございました。