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令和元年度夏季学園講話会が開催されました。

令和元年6月8日、本学体育館にて、令和元年度夏季学園講話会が開催されました。
学園講話会は、毎年2回開催されており、令和最初となる今回の講話会は、つがる西北五広域連合病院事業管理者の高杉 滝夫 氏を講師にお迎えし、大学及び短期大学部の学生並びに教職員約500名が参加しました。

講演に先立ち、下田 肇 理事長から、挨拶及び講師のご紹介がありました。

「西北五地域の医療-自治体病院機能再編成の効果と課題-」と題して、地域医療を維持するために、全国モデルになった西北五地域の自治体病院機能再編成及び病院のネットワーク構築についてご講演いただき、青森県の地域医療の体制について理解を深める貴重な機会となりました。

はじめに、自治体病院機能再編成に至った経緯について、「①西北五地域の人口減少、高齢化、過疎化 ②深刻な医師不足(人口10万人対医師数が全国の半数に満たない) ③(医師不足の影響で)提供できる医療に限りがある ④自治体病院の経営が悪化 などの西北五地域の自治体病院を取り巻く環境を好転させ、地域医療の質を守るため」と説明がありました。

そこで、圏域5自治体病院の経営統合、新たな中核病院の建設(西北中央病院を廃止し、つがる総合病院の開院)、中核病院周辺の自治体病院のサテライト医療機関化などの機能再編成を行った結果、医療自足率(病院入院)の上昇は見られなかったものの、「各医療機関の役割を明確にし、地域全体で医療の提供にあたることが可能になった」「医療情報システムのネットワーク構築を行い、医療情報の共有が容易になった」「自治体病院の常勤医が増加し、効率的に医師の配置が出来るようになった」など、機能再編成に効果があったことが説明されました。

最後に、今後の課題を「医療機能の充実」「勤務環境の改善」「地域の実情に応じた病床数及び機能への調整」「地域の医療・介護・福祉との連携強化」と指摘した上で、「医師不足により医療資源が乏しい状況で、自治体病院再編成に取り組み、つがる総合病院を中核として効率的に医療提供する体制は整ったが、病院事業管理者として引き続き、西北五地域の医師を増やし、より充実した医療の提供ができるよう、尽力していきたい。」とお考えを述べられました。

本学の学生の多くは、卒業後、医療・福祉従事者として、地域に出て活躍できる人材になれるよう、日々勉学に励んでいますが、普段学ぶことがない病院運営の視点から、地域医療の充実を図る方法について、多面的に学ぶ大変有意義な機会になりました。

高杉先生、ご多忙のところ具体的数値を示してわかりやすくご講演いただき、誠にありがとうございました。